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証券外務員とか資産運用とか物理について適当な事を言います

損益分岐点売上高の公式を導出してみる

まず手始めにこのあたりを…

 

証券外務員一種試験には度々、企業の分析手法として何やら不思議な公式が出現したりします。

この公式について、テキストであったり個人ブログに説明があるのですが…

とにかくいい加減な上によくわからんし、暗記を強要されます。

これが嫌で嫌で堪らなかったので、いっその事自分で導出してしまおうと考えました。 

こうやって暗記量を減らしていくことは試験でも役に立つ上、本質的な理解が得られると思います。

 

ところで表題にもある通り、今回は損益分岐点売上高の公式。これです。

[損益分岐点売上高] = [与えられた固定費]/{1-[与えられた売上高]/[与えられた変動費]}

(実際の問題では専らある時点での売上高と変動費、固定費が与えられます。)

 

この損益分岐点売上高という指標は

"売上高と費用が等しく、損益が0となる時の売上高" 

というのが定義なのですが、とてもわかりにくい。

何故こんなものが必要かを一言で言えば、

"変動費は売上高に比例すると仮定しているから"

に尽きます。

例えば変動費の例として製品の原材料費が挙げられます。

製品の売上高が増加すると原材料費も比例して増加するといった具合です。

これは至極単純なモデルで、変動費が売上高の二乗に比例していようが何でもいいのです。

とにかくこのようなモデルでは与えられた費用の合計と損益分岐点売上高が一致しない可能性があります。

 

さきほどの文言を横軸を売上高、縦軸を費用として、固定費は必ず一定であると仮定すると費用は下のような売上高の関数で表現出来ます。

f:id:zn6:20171008021917j:image

 ここで問題になるのが変動費の売上高に対する比例係数です。

つまり変動費の直線がどのぐらいの傾きを持つかという事ですね。

これは与えられた売上高と変動費から算出すればよくて、これをaとすると、

a = [与えられた変動費]/[与えられた売上高]

これ見た事あるな…と思った方は正解で、変動費率の定義そのものです。

 

ここまでの議論から

[費用] = [変動費率]x[売上高]+[与えられた固定費]

が成立します。

 

ここで損益分岐点売上高の定義を簡単に数式で言い換えると、

[損益分岐点売上高] = [損益分岐点売上高を計上した時に発生する費用] - (1)

右辺を数式で表現すると、

[変動費率]x[損益分岐点売上高]+[与えられた固定費]

となります。

つまり上で示したグラフにおいて、横軸が損益分岐点売上高である点における縦軸の値が損益分岐点売上高と等しいということです。

これを(1)式に代入すると、、

[損益分岐点売上高] = [変動費率]x[損益分岐点売上高]+[与えられた固定費]

この式を損益分岐点売上高の一次方程式として解きます。

<=> [損益分岐点売上高]=[与えられた固定費]/{1-[変動費率]}

<=> = [与えられた固定費]/{1-[与えられた売上高]/[与えられた変動費]}

となって導出が出来ました。

 

基本的に市販のテキストでは導出はされておらず、ブログを探しても、与えられた売上高と損益分岐点売上高をごちゃごちゃにして導出している方しかいないようなのでその辺を厳密にしたつもりです。(wikipediaの導出も間違っています。)

 

今日のところはこんなところで。